●087 加藤清正公の歌 かとうきよまさこうのうた 〇さちなきいえにみはいでて

 表題:加藤清正公の歌
 読み:かとうきよまさこうのうた

 収録:(A)加藤清正公 三百年祭紀念唱歌 音樂研究會編 學海指針社 1909(M.42).2.17=初 ◎Copy=(K7)

 記譜:単声(伴奏なし) ヘ長調 2/4

 インチピット:ソドミミ|ミレドレ|ミソソミ|レ

 曲:入江好治郎(1872-)
 詞:犬童信蔵

 ※入江好次郎は熊本県師範學校教諭


[詞] ※「加藤清正公」より

1.幸なき家に身は出でて 其名忽(たちまち)世に高く
  戰の場(には)に君立てば い向ふ敵もなかりけり
2.君豊公(ほうこう)に仕へては 忠義鬼~(きじん)を泣(なか)すべく
  遠く幼主(ようしゅ)を衛(まも)りては 意氣鐵(てつ)よりも堅(かた)かりき
3.国威を異域(いゐき)に照さんと 君三軍を指揮すれば
  行手の敵は吹く風に 靡く小草に異(ことな)らず
4.哈(お)らん海外沖遠く 東の空を拝みては
  孤軍異郷に攻め入りし 鎧の袖に露重し
5.彼の三韓の幼子(をさなご)が 鬼将軍の名を聞けば
  忽(たちまち)泣(なき)を止(とゞ)むてふ 威名(ゐめい)は今も輝けり
6.巨岩を積みて築建(つきた)てし 類稀(たぐひまれ)なる大阪の
  城の松が枝(え)吹く風は 君が功績(いさを)を謳(うた)ふなり
7.見よ西南の戰(たたかひ)に 食(は)むに糧(かて)なき熊本の
  孤城の守り支へつゝ 國の危急(ききふ)を復(かへ)したる
8.高き武功は其上古(そのかみ)の 君が遺物(かたみ)の城ゆゑと
  雲居にそゝる銀杏(ぎんなん)の 梢遥かに仰ぐかな
9.名古屋の城の棟高く 光る黄金の鯱(しゃちほこ)は
  幾代の末の果(はて)までも 輝く君が譽(ほまれ)なり
10.緑白川球磨川の 水理(すゐり)の業(わざ)に開拓に
  富國の道を計りたる 跡は今尚(いまなほ)見らるべく
11.君が遺徳(ゐとく)は金峯の 麓の松の木(こ)がくれに
  たゝく太鼓の夜も晝も 絶えぬ響(ひぎき)に聞かるべし
12.を指を折れば三百の 年の數々積もり來て
  愈々(いよいよ)高き其(その)いさを 仰げば尊(たふ)と錦山


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